プロパンガスを安くする方法効果を金額で比べる
プロパンガス代を下げる方法は、大きく2つしかありません。 使う量を減らすか、契約先を見直すか。 そして両者は下がる金額の桁が違います。 このページでは、どちらがいくら効くのかを金額で並べます。
先に結論
- 節約行動で下がるのは、当サイトの換算で 年間3,847〜11,498円程度
- 契約先の見直しで下がりうるのは、地域平均の1.3倍を払っている場合で 年間約32,814円
- つまりまず確認すべきは契約先です。 ただし集合住宅では入居者の判断で変更できないのが一般的です
注意:ネットの「節約額」はLPガス世帯には当てはまりません
「シャワーを1分短くすると年間2,070円の節約」といった数字を見たことがあるかもしれません。 これは資源エネルギー庁が公表している省エネ効果で、出典としては正確です。 ただしその金額は、都市ガスの単価で計算されています。
資源エネルギー庁「省エネ効果の算出根拠」より
◎ガス 162円/m³[平成29年版 ガス事業便覧 平成28年度実績 供給約款 料金平均(合計平均)を45MJに換算 小数点第一位を切り捨て(税込)]
45MJに換算とあるとおり、これは都市ガス(13A相当)を前提とした単価です。 一方LPガスは1㎥あたりの発熱量が約99.9MJと、都市ガスの2倍以上あります。 同じ熱量を得るのに必要な体積が違い、単価そのものも大きく異なるため、 同じ省エネ行動でも、LPガス世帯では金額が変わります。
LPガスの単価で計算し直すと
政府が公表している省エネ効果(ガスの削減量)を、 熱量比で換算し、LPガスの従量単価で評価し直しました。
| 省エネ行動 | 政府の表示 都市ガス基準 | LPガスに換算 当サイトの試算 |
|---|---|---|
| 追い焚きを減らす 2時間の放置で4.5℃下がった湯(200L)を追い焚きする場合(1日1回) | 38.2㎥ 約6,190円/年 | 17.2㎥ 約11,498円/年 |
| シャワーを1分短縮する 45℃の湯を流す時間を1分間短縮した場合 | 12.78㎥ 約2,070円/年 | 5.8㎥ 約3,847円/年 |
省エネ効果(削減量・都市ガス基準の金額)の出典:資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」。 LPガスへの換算は当サイトによる試算で、都市ガス45MJ/㎥・LPガス約99.9MJ/㎥として熱量比で体積を換算し、 後述の方法で逆算した従量単価669円/㎥を掛けたものです。 実際の削減額はご契約の単価・機器・地域により異なります。
つまりLPガス世帯では、同じ節約行動が都市ガスより効きます。 節約に意味がないという話ではありません。 ただし次に見るとおり、契約先の見直しはさらに一桁大きく効きます。
契約先の見直しは、桁が違う
LPガスは販売店ごとの自由料金制で、料金は公表されていません。 このため同じ地域・同じ使用量でも、契約先によって料金が違います。 当サイトでは地域平均の1.3倍以上を「大きく高い」の目安としていますが、 その水準の世帯が地域平均まで下がった場合、年間の差は次のようになります。
| 手段 | 年間の効果(目安) |
|---|---|
| シャワーを1分短縮する | 約3,847 円 |
| 追い焚きを減らす | 約11,498 円 |
| 契約先を見直す(地域平均の1.3倍だった場合) | 約32,814 円 |
順序としては、まず自分の単価が地域平均からどれくらい離れているかを確かめるのが 合理的です。平均並みであれば、契約先を変えても大きくは下がりません。 その場合は節約行動のほうに意味があります。
基本料金と従量単価は、平均でいくらか
「基本料金◯◯円・従量単価◯◯円が適正」という数字をよく見かけますが、 当サイトはこれまで、出典を確認できないため掲載してきませんでした。 ただし政府統計から逆算することはできます。方法を示したうえで掲載します。
考え方
料金 = 基本料金 + 従量単価 × 使用量
資源エネルギー庁は5・10・20・50㎥それぞれの平均価格を公表しています。 使用量が5㎥増えたときの料金の増分を5で割れば、その区間の従量単価が出ます。 そこから逆算すれば基本料金も求まります。
| 区間 | 料金の増分 | 従量単価 |
|---|---|---|
| 5㎥ → 10㎥ | 3,522 円 | 704 円/㎥ |
| 10㎥ → 20㎥ | 6,685 円 | 669 円/㎥ |
| 20㎥ → 50㎥ | 18,573 円 | 619 円/㎥ |
| 逆算した基本料金 | — | 2,071 円 |
使用量が多いほど従量単価が下がっており、量に応じた割引が働いていることが読み取れます。 これは全国平均から導いた値であり、個々の販売店の料金表ではありません。 ご自身の検針票に記載された基本料金・従量料金と比べる際の、ひとつの目安としてご利用ください。
出典:資源エネルギー庁「LPガス価格調査」(2024年10月調査・消費税込み)を加工して作成。 基本料金・従量単価は当サイトが上記の方法で逆算したもので、公表値ではありません。
効果が期待しにくいこと
正直に書きます。次のものは、下がる金額が小さいか、条件が限られます。
| よく言われること | 実際 |
|---|---|
| 値下げ交渉 | 交渉自体は可能で、応じる販売店もあります。ただし 下がった料金が維持される保証はなく、 数か月後に戻される事例が指摘されています。 交渉する場合は、いつまでいくらかを書面で確認するのが確実です |
| ガスの契約アンペア変更 | LPガスにアンペアの概念はありません。 電気の話と混同されがちですが、ガス側では該当しません |
| 時間帯を変える | LPガスに時間帯別料金はありません。 深夜に使っても単価は変わりません |
| 都市ガスへの切り替え | 都市ガスの導管が敷設されている地域でのみ可能です。 工事費と給湯器・コンロの交換費用がかかるため、 回収に何年かかるかを先に計算する必要があります |
プロパンガスの料金は、複数の販売店の見積もりで比べられます
LPガスは販売店ごとの自由料金制です。持ち家の戸建てなら契約先を自分で選べるので、今の請求額と他社の見積もりを並べて比べられます(賃貸は貸主の同意が要り、集合住宅は建物ごとの契約のため切り替えられません)。
- エネピ 全国のプロパンガス会社を比較して、一括で見積もりを取れます。 無料で見積もりを比べる
- ガスチョイス プロパンガスの料金比較サービス。複数社の見積もりを無料で取り寄せて比較できます。 無料で見積もりを比べる
- ガス屋の窓口 戸建住宅向け。切替後の料金保証と、解約手続きの代行があります(保証の条件は公式サイトで確認してください)。 無料で見積もりを比べる
申し込むと販売店から電話で連絡があり、見積もりはその後に提示されます。 その場で契約する必要はなく、断ることもできます。成果報酬型広告を含みます。掲載順は五十音順です(編集方針)。
集合住宅(アパート・マンション)の方は申し込めません。 ガスの契約が建物単位のためです。管理会社への伝え方は賃貸でガス代が高いときにまとめています。
電気の契約先は、住まいの形に関係なく見直せます
ガスと違い、電気は戸建て・集合住宅を問わず世帯ごとに切り替えられます(高圧一括受電の建物を除く)。
どの会社が合うか分からないとき:まとめて比べる
契約先の候補が決まっているとき:各社の公式サイト
- idemitsuでんき 給油代2円/L引きのコースあり(月100Lまで=最大月200円・特割カード登録が必要)。 公式サイトを見る
- ソフトバンク自然でんき 基本料金0円・従量単価が均一のプラン。再エネ比率は実質100%。 公式サイトを見る
- Looopでんき 電力の市場価格に連動し30分ごとに単価が変わるプラン。一定の使用量までは上限単価あり、市場が高騰すると料金が上がる場合がある。解約手数料なし。 公式サイトを見る
成果報酬型広告を含みます。申し込み・比較は無料です。
下がるかは使用量と今の契約しだいです(内訳の見方)。 高圧一括受電の建物は不可。idemitsuでんきは沖縄電力エリアが対象外です。 沖縄電力エリア・北陸電力エリアは対象外です。 掲載順は五十音順(編集方針)。
賃貸にお住まいの場合
集合住宅では、入居者の判断で契約先を変更できないのが一般的です。 契約が建物単位で結ばれているためです。この場合、上の表でいちばん効果の大きい手段が使えません。
残る手段は、節約行動と、管理会社・オーナーへの相談です。 相談の際は、2025年4月から賃貸住宅においてガス器具等の消費設備費用を LPガス料金に計上することが禁止されたことが材料になります (三部料金制)。 検針票の設備料金の欄に、思い当たらない金額が入っていないか確認してみてください。
よくある質問
プロパンガスを安くする方法で、いちばん効果があるのは何ですか
契約先の見直しです。地域平均の1.3倍を払っている場合、平均まで下がれば年間で約32,814円の差になります。一方、シャワーを1分短縮する省エネ行動は当サイトの換算で年間約3,847円です。桁が違うため、まず自分の単価が地域平均からどれくらい離れているかを確かめるのが合理的です。ただし集合住宅では入居者の判断で契約先を変更できないのが一般的です。
ネットで見た「年間2,070円の節約」はLPガスでも同じですか
同じではありません。その金額は資源エネルギー庁の公表値ですが、算出根拠に「ガス162円/m³(45MJに換算)」と明記されており、都市ガスの単価で計算されています。LPガスは1㎥あたりの発熱量が約99.9MJと都市ガスの2倍以上あり、単価も異なります。熱量比で換算し、当サイトが逆算した従量単価669円/㎥で評価し直すと、同じ行動で年間約3,847円になります。
プロパンガスの基本料金と従量単価の平均はいくらですか
資源エネルギー庁の使用量別データから逆算すると、基本料金が約2,071円、従量単価が619〜704円/㎥です(2024年10月調査・全国平均)。使用量が多いほど従量単価は下がります。これは公表値ではなく、5・10・20・50㎥それぞれの平均価格の差から当サイトが導いた値です。個々の販売店の料金表ではないため、目安としてご利用ください。
値下げ交渉はしたほうがよいですか
交渉自体は可能で、応じる販売店もあります。ただし下がった料金が維持される保証はなく、数か月後に戻される事例が指摘されています。交渉する場合は、いつまでいくらになるのかを書面で確認しておくと確実です。また交渉の前に、自分の料金が地域平均からどれくらい離れているかを把握しておくと、何を根拠に話すかが明確になります。
深夜に使えば安くなりますか
変わりません。LPガスに時間帯別料金はありません。電気には時間帯別のプランがありますが、ガス側では該当しません。同様に、LPガスにアンペアの概念もないため、契約容量を下げるという節約方法も存在しません。
都市ガスに切り替えたほうが安いですか
都市ガスの導管が敷設されている地域でのみ可能です。単価は都市ガスのほうが低い傾向がありますが、切り替えには引き込み工事費と、給湯器・コンロの交換費用がかかります。月々の差額で初期費用を何年で回収できるかを先に計算してください。導管がない地域では、そもそも選択肢になりません。
次に読む
- 検針票の見方 10㎥あたりの単価を出す手順。今のガス代が高いかどうかが分かります。
- プロパンガスの適正価格とは 何倍から高いと判断できるか。都道府県別の目安つき。
- プロパンガスの乗り換え手順 手順と、違約金・設備の残債がどうなるか。
- プロパンガスと都市ガスの料金差 熱量をそろえると何倍か。同じ使い方での差を比べます。
- 暖房費がいちばん安いのは? 灯油・LPガス・都市ガス・電気を県別に比較 同じ暖かさを得る費用で、燃料ごとの差を都道府県別に比べます。
出典
- 省エネ行動の効果(削減量および都市ガス基準の金額) — 資源エネルギー庁 「無理のない省エネ節約」風呂・トイレ https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/bathtoilet/index.html
- 金額換算の単価(ガス162円/m³・45MJ換算) — 同「省エネ効果の算出根拠」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/index.html
- 使用量別の平均価格 — 資源エネルギー庁「LPガス価格調査」(2024年10月調査)を加工して作成
- LPガスへの換算、基本料金・従量単価の逆算は当サイトによるものです。 公表値ではありません