エネカルテ
PR本ページはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含みます。

プロパンガスと都市ガスの料金差熱量をそろえて比較する

「プロパンガスは都市ガスの5倍」といった数字を見かけます。 これは1㎥あたりの単価をそのまま並べたもので、比較として成立していません。 LPガスと都市ガスでは、同じ1㎥に含まれる熱量が2.2倍違うからです。 このページでは、熱量をそろえたうえで、実際にいくら差があるのかを計算します。

先に結論

  1. 同じ熱量で比べると、LPガスは都市ガスの約2.09〜2.83倍 (都道府県による)
  2. 全国平均で月10㎥使う世帯なら、同じ熱量の都市ガスとの差は 月約5,162円、年間約61,939円
  3. ただし都市ガスは導管がある地域でしか選べません。 導管がなければ、この差は埋めようがありません
  4. できるのはLPガスの販売店を変えることです。 自由料金制のため、同じ地域でも契約先によって料金が違います

なぜ「1㎥あたりの単価」を並べてはいけないのか

ガスの料金は㎥(立方メートル)で計算されます。しかし ㎥は体積の単位であって、エネルギーの単位ではありません。 同じ1㎥でも、含まれる熱量はガスの種類によって違います。

ガスの種類1㎥あたりの熱量出典
都市ガス(13A) 45 MJ 東京ガス「一般ガス供給約款」の標準熱量
LPガス(プロパン) 約99.9 MJ 省エネ法施行規則の単位発熱量50.8GJ/tを体積あたりに換算

つまりLPガス1㎥は、都市ガス約2.22㎥分の熱量に相当します。 お風呂を沸かすのに必要な熱量が同じなら、LPガスのほうが少ない㎥数で足ります。 ㎥の数字をそのまま比べると、この差を丸ごと無視することになります。

これが「LPガスは都市ガスの5倍」といった数字が生まれる理由です。 LPガスの単価が約700円/㎥、都市ガスが約130円/㎥なので、 割り算すれば5倍を超えます。しかし得られる熱量が違うため、 この計算では実際の負担差が分かりません。

熱量をそろえて計算すると

LPガスを使っている世帯が、同じ熱量を都市ガスで得た場合にいくらになるかを計算しました。 LPガス側は全国平均、都市ガス側は東京ガスの一般料金です。

LPガス
使用量
熱量 同じ熱量の
都市ガス
LPガス
料金
都市ガス
料金
倍率
5 ㎥ 500 MJ 11.1 ㎥ 5,593 円 2,373 円 2.36 倍
10 ㎥ 999 MJ 22.2 ㎥ 9,115 円 3,953 円 2.31 倍
20 ㎥ 1,999 MJ 44.4 ㎥ 15,800 円 6,851 円 2.31 倍
50 ㎥ 4,997 MJ 111.0 ㎥ 34,373 円 15,475 円 2.22 倍

LPガス:資源エネルギー庁「LPガス価格調査」(2024年10月調査・全国平均・消費税込み)を加工して作成。 都市ガス:東京ガス「一般ガス供給約款」(2025年6月1日実施)別表第4の基本料金・基準単位料金(消費税込み)から当サイトが算出。 実際の請求には原料費調整額が毎月加減されるため、この金額そのものが請求されるわけではありません。 また都市ガス事業者は全国に多数あり、料金は事業者ごとに異なります。

倍率はおよそ2.2〜2.4倍に収まります。 体積あたりの単価で比べたときの「5倍」とは、まったく違う数字になります。 LPガスが高いこと自体は事実ですが、その程度は正しく把握しておく必要があります。

ご自宅の単価が、お住まいの地域の平均と比べてどうかを確かめられます

ガス代を診断する

入力は30秒ほど・氏名や連絡先は不要です

都道府県別の差額(10㎥使用時)

LPガスの料金は地域差が大きいため、都市ガスとの差も地域によって変わります。 月10㎥(熱量にして約999MJ)を使う世帯で、 同じ熱量を東京ガスの一般料金で得た場合(22.2㎥・3,953円)と比べました。

都道府県 LPガス 倍率 月の差 年間の差
北海道 11,174 円 2.83 倍 +7,221 円 +86,647 円
青森県 10,764 円 2.72 倍 +6,811 円 +81,727 円
岩手県 10,441 円 2.64 倍 +6,488 円 +77,851 円
宮城県 9,178 円 2.32 倍 +5,225 円 +62,695 円
秋田県 10,078 円 2.55 倍 +6,125 円 +73,495 円
山形県 10,201 円 2.58 倍 +6,248 円 +74,971 円
福島県 9,497 円 2.40 倍 +5,544 円 +66,523 円
茨城県 8,463 円 2.14 倍 +4,510 円 +54,115 円
栃木県 8,408 円 2.13 倍 +4,455 円 +53,455 円
群馬県 8,342 円 2.11 倍 +4,389 円 +52,663 円
埼玉県 8,260 円 2.09 倍 +4,307 円 +51,679 円
千葉県 8,354 円 2.11 倍 +4,401 円 +52,807 円
東京都 8,246 円 2.09 倍 +4,293 円 +51,511 円
神奈川県 8,575 円 2.17 倍 +4,622 円 +55,459 円
新潟県 9,417 円 2.38 倍 +5,464 円 +65,563 円
富山県 9,976 円 2.52 倍 +6,023 円 +72,271 円
石川県 9,597 円 2.43 倍 +5,644 円 +67,723 円
福井県 9,395 円 2.38 倍 +5,442 円 +65,299 円
山梨県 8,426 円 2.13 倍 +4,473 円 +53,671 円
長野県 9,104 円 2.30 倍 +5,151 円 +61,807 円
岐阜県 8,970 円 2.27 倍 +5,017 円 +60,199 円
静岡県 8,825 円 2.23 倍 +4,872 円 +58,459 円
愛知県 8,790 円 2.22 倍 +4,837 円 +58,039 円
三重県 8,728 円 2.21 倍 +4,775 円 +57,295 円
滋賀県 8,908 円 2.25 倍 +4,955 円 +59,455 円
京都府 8,903 円 2.25 倍 +4,950 円 +59,395 円
大阪府 8,376 円 2.12 倍 +4,423 円 +53,071 円
兵庫県 9,237 円 2.34 倍 +5,284 円 +63,403 円
奈良県 8,347 円 2.11 倍 +4,394 円 +52,723 円
和歌山県 8,549 円 2.16 倍 +4,596 円 +55,147 円
鳥取県 9,844 円 2.49 倍 +5,891 円 +70,687 円
島根県 10,299 円 2.61 倍 +6,346 円 +76,147 円
岡山県 9,335 円 2.36 倍 +5,382 円 +64,579 円
広島県 9,186 円 2.32 倍 +5,233 円 +62,791 円
山口県 9,785 円 2.48 倍 +5,832 円 +69,979 円
徳島県 8,850 円 2.24 倍 +4,897 円 +58,759 円
香川県 9,208 円 2.33 倍 +5,255 円 +63,055 円
愛媛県 8,945 円 2.26 倍 +4,992 円 +59,899 円
高知県 8,601 円 2.18 倍 +4,648 円 +55,771 円
福岡県 8,836 円 2.24 倍 +4,883 円 +58,591 円
佐賀県 9,394 円 2.38 倍 +5,441 円 +65,287 円
長崎県 9,118 円 2.31 倍 +5,165 円 +61,975 円
熊本県 8,731 円 2.21 倍 +4,778 円 +57,331 円
大分県 8,789 円 2.22 倍 +4,836 円 +58,027 円
宮崎県 9,072 円 2.29 倍 +5,119 円 +61,423 円
鹿児島県 9,053 円 2.29 倍 +5,100 円 +61,195 円
沖縄県 9,257 円 2.34 倍 +5,304 円 +63,643 円

出典・算出方法は上表と同じです。都市ガス側は22.2㎥使用時の東京ガス一般料金 (料金表B)で固定しています。

もっとも差が大きいのは北海道で2.83倍、 もっとも小さいのは東京都で2.09倍です。 寒冷地は配送距離が長く、使用量も多いため、金額の差はさらに開きます。

では、都市ガスに切り替えるべきか

ここが実務上もっとも重要な点です。 都市ガスは、地下に導管が敷設されている地域でしか選べません。 導管は事業者が敷設するもので、消費者の希望で引けるものではありません。 LPガスを使っている世帯の多くは、そもそも導管が来ていない地域にあります。

導管がある地域であっても、切り替えには次の費用がかかります。

項目内容
引き込み工事 前面道路の本支管から敷地内へ引き込む工事。距離や道路の状況によって金額が変わります
屋内配管 ガス栓までの配管。既存の配管を流用できるかは現地の状況によります
ガス機器の交換 給湯器・コンロは、そのままでは使えません。 LPガスと都市ガスでは必要な圧力とノズル径が違うためです

月々の差額が5,162円だとしても、初期費用が数十万円かかれば、 回収に何年かかるかを先に計算する必要があります。 工事費は現地条件で大きく変わるため、当サイトでは金額の目安を示しません。 導管の有無と工事費は、お住まいの地域の都市ガス事業者にお問い合わせください。

LPガスにも利点はあります。 各戸にボンベを置く方式のため導管に依存せず、 災害で導管が損傷した場合でも、ボンベと設備が無事であれば供給を再開しやすい構造です。 料金だけで優劣が決まるものではありません。

都市ガスにできないなら、何ができるか

導管がない、あるいは工事費が見合わない場合でも、できることがあります。 LPガスは自由料金制のため、同じ地域・同じ使用量でも販売店によって料金が違います。 上の表の差額のうち、販売店を変えることで縮められる分があります。

まず確かめるべきは、ご自宅の単価が地域平均に対してどの位置にあるかです。 地域平均より高いなら、契約先の見直しで縮まる余地があります。 平均並みであれば、それ以上は都市ガスとの構造的な差であり、 販売店を変えても大きくは変わりません。

PR 持ち家の戸建てで、プロパンガスをお使いの方へ

プロパンガスの料金は、複数の販売店の見積もりで比べられます

LPガスは販売店ごとの自由料金制です。持ち家の戸建てなら契約先を自分で選べるので、今の請求額と他社の見積もりを並べて比べられます(賃貸は貸主の同意が要り、集合住宅は建物ごとの契約のため切り替えられません)。

申し込むと販売店から電話で連絡があり、見積もりはその後に提示されます。 その場で契約する必要はなく、断ることもできます。成果報酬型広告を含みます。掲載順は五十音順です(編集方針)。

集合住宅(アパート・マンション)の方は申し込めません。 ガスの契約が建物単位のためです。管理会社への伝え方は賃貸でガス代が高いときにまとめています。

PR 電気の契約先

電気の契約先は、住まいの形に関係なく見直せます

ガスと違い、電気は戸建て・集合住宅を問わず世帯ごとに切り替えられます(高圧一括受電の建物を除く)。

どの会社が合うか分からないとき:まとめて比べる

契約先の候補が決まっているとき:各社の公式サイト

成果報酬型広告を含みます。申し込み・比較は無料です。

下がるかは使用量と今の契約しだいです(内訳の見方)。 高圧一括受電の建物は不可。idemitsuでんきは沖縄電力エリアが対象外です。 沖縄電力エリア・北陸電力エリアは対象外です。 掲載順は五十音順(編集方針)。

よくある質問

プロパンガスは都市ガスの何倍高いですか

同じ熱量で比べると、約2.09〜2.83倍です(都道府県による)。「5倍」といった数字を見かけますが、それは1㎥あたりの単価をそのまま並べたもので、LPガスと都市ガスでは1㎥あたりの熱量が約2.22倍違うことを無視しています。全国平均で月10㎥使う世帯なら、同じ熱量の都市ガスとの差は月約5,162円、年間約61,939円です。

なぜ1㎥あたりの単価で比べてはいけないのですか

㎥は体積の単位であって、エネルギーの単位ではないためです。都市ガス(13A)は1㎥あたり45MJ、LPガス(プロパン)は約99.9MJで、LPガス1㎥は都市ガス約2.22㎥分の熱量に相当します。同じ熱量を得るのに必要な㎥数が違うため、単価をそのまま割り算しても実際の負担差は出ません。都市ガスの熱量は東京ガスの供給約款、LPガスの発熱量は省エネ法施行規則で確認できます。

プロパンガスから都市ガスに変えられますか

地下に導管が敷設されている地域でしか選べません。導管は事業者が敷設するもので、消費者の希望で引けるものではありません。LPガスを使っている世帯の多くは、そもそも導管が来ていない地域にあります。導管がある場合でも、引き込み工事・屋内配管に加えて給湯器とコンロの交換が必要です。LPガスと都市ガスでは必要な圧力とノズル径が違い、そのままでは使えません。

切り替えの工事費はいくらですか

現地の条件によって大きく変わるため、当サイトでは目安を示していません。前面道路の本支管からの距離、道路の掘削の要否、既存配管を流用できるかによって金額が変わります。正確な金額は、お住まいの地域の都市ガス事業者にお問い合わせください。その際、月々の差額で初期費用を何年で回収できるかを計算してから判断してください。

都市ガスにできない場合、ガス代を下げる方法はありますか

LPガスの販売店を変更する方法があります。LPガスは自由料金制のため、同じ地域・同じ使用量でも契約先によって料金が違います。まずご自宅の単価が地域平均に対してどの位置にあるかを確かめてください。平均より高ければ、契約先の見直しで縮まる余地があります。ただし集合住宅では契約が建物単位で結ばれており、入居者の判断で変更できないのが一般的です。

プロパンガスに良いところはありますか

導管に依存しない点です。各戸にボンベを設置する方式のため、導管が敷設されていない地域でも供給できます。また災害で導管が損傷した場合でも、ボンベと設備が無事であれば供給を再開しやすい構造です。料金では都市ガスに分がありますが、それだけで優劣が決まるものではありません。

この比較に使った都市ガスの料金はどこのものですか

東京ガスの「一般ガス供給約款」(2025年6月1日実施)に記載された基本料金と基準単位料金です。都市ガス事業者は全国に多数あり、料金は事業者ごとに異なります。また実際の請求には原料費調整額が毎月加減されるため、この計算どおりの金額が請求されるわけではありません。比較の目安としてご利用ください。

次に読む

出典と計算方法

  • LPガスの発熱量 — エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律 施行規則の単位発熱量「液化石油ガス 50.8 GJ/t」。 プロパン(分子量44.096)の標準状態における密度 44.096 ÷ 22.414 = 1.967 kg/㎥ を用いて体積あたりに換算し、 50.8 × 1.967 = 約99.9 MJ/㎥ としました
  • 都市ガスの標準熱量と料金 — 東京ガス「一般ガス供給約款(東京地区等)」 2025年6月1日実施。標準熱量45メガジュール、別表第4の料金表A〜Fの基本料金・基準単位料金(消費税込み) https://home.tokyo-gas.co.jp/gas_power/plan/gas/stipulation.html
  • LPガスの都道府県別平均価格 — 資源エネルギー庁「LPガス価格調査」 (2024年10月調査・消費税込み)を加工して作成
  • 熱量をそろえた比較および倍率の算出は当サイトによるものです。公表値ではありません