プロパンガスが高いと感じる理由自由料金制のしくみ
「引っ越したらガス代が倍になった」「隣の家より高いらしい」という話が起きるのは、 LPガスが販売店ごとに料金を自由に決められる制度だからです。 その構造を、都市ガスとの違いから説明します。
1. 都市ガスと決定的に違う点
| 都市ガス | LPガス(プロパンガス) | |
|---|---|---|
| 供給方法 | 地下の導管 | ボンベを各戸に配送 |
| 料金の決め方 | 届出制度がある | 販売店が自由に設定 |
| 料金の公表 | 公表されている | 公表されていないことが多い |
| 同一地域内の差 | 小さい | 大きい |
LPガスは配送というコストがかかるため、都市ガスより単価が高くなる傾向があります。 ただし「高い理由」の本質はそこではありません。 同じ地域・同じ使用量でも、契約先によって料金が違うという点にあります。
2. 価格競争が働きにくい理由
自由料金制であれば、本来は競争によって価格が下がるはずです。 しかしLPガスではそれが起きにくいと指摘されてきました。理由は単純です。
各販売店が料金を公表しておらず、消費者が比較できないためです。
比較できなければ、高いかどうかも判断できません。判断できなければ、乗り換える動機も生まれません。 結果として競争圧力が働かない。これが情報の非対称性と呼ばれる状態です。
実際、同じ地域・同じ使用量であっても、販売店を変えることで 月2,000〜3,000円の差が生じる例が報告されています。
3. 自分で契約先を選べていない場合がある
賃貸住宅の場合、ガスの契約先を決めるのは入居者ではなく物件のオーナーです。 費用を負担するのは入居者なのに、契約先を選ぶのはオーナーという構造になります。
さらに、販売店がオーナーや不動産会社に対して給湯器などの設備を無償提供し、 その費用を入居者のガス料金に上乗せして回収する 「無償貸与」「貸付配管」という商慣行が広く存在していました。
資源エネルギー庁はこれを「LPガスの消費者が不利益を被っている現状」として、 2024年から2025年にかけて制度改正を行っています。 詳細は三部料金制の解説をご覧ください。
4. 地域によって水準が違う
LPガスはボンベを配送する必要があるため、配送距離や地形が料金に影響します。 離島や山間部では配送コストが高くなり、寒冷地では冬場の使用量そのものが増えます。
全国平均は10㎥使用時で9,115円です(2024年10月調査)が、 この数字だけで自分の料金を判断するのは適切ではありません。 お住まいの地域の水準と比べる必要があります。
では、どう判断すればよいか
順番はこうなります。
- 自分の単価を把握する — 請求額 ÷ 使用量 × 10 で「10㎥あたりの円」に換算します(検針票の見方)
- 地域の水準と比べる — 全国平均ではなく、できるだけ近い地域の数字と比較します
- 差が大きければ、契約内容を確認する — 販売店に内訳を問い合わせるところから始まります
なお、料金が地域の水準より高いことが、ただちに不当を意味するわけではありません。 配送条件や設備の状況によって、適正な範囲で差が生じることもあります。 まず数字を把握し、疑問があれば契約中の販売店に確認するという順序が現実的です。
プロパンガスの料金は、複数の販売店の見積もりで比べられます
LPガスは販売店ごとの自由料金制です。持ち家の戸建てなら契約先を自分で選べるので、今の請求額と他社の見積もりを並べて比べられます(賃貸は貸主の同意が要り、集合住宅は建物ごとの契約のため切り替えられません)。
- エネピ 全国のプロパンガス会社を比較して、一括で見積もりを取れます。 無料で見積もりを比べる
- ガスチョイス プロパンガスの料金比較サービス。複数社の見積もりを無料で取り寄せて比較できます。 無料で見積もりを比べる
- ガス屋の窓口 戸建住宅向け。切替後の料金保証と、解約手続きの代行があります(保証の条件は公式サイトで確認してください)。 無料で見積もりを比べる
申し込むと販売店から電話で連絡があり、見積もりはその後に提示されます。 その場で契約する必要はなく、断ることもできます。成果報酬型広告を含みます。掲載順は五十音順です(編集方針)。
集合住宅(アパート・マンション)の方は申し込めません。 ガスの契約が建物単位のためです。管理会社への伝え方は賃貸でガス代が高いときにまとめています。
電気の契約先は、住まいの形に関係なく見直せます
ガスと違い、電気は戸建て・集合住宅を問わず世帯ごとに切り替えられます(高圧一括受電の建物を除く)。
どの会社が合うか分からないとき:まとめて比べる
契約先の候補が決まっているとき:各社の公式サイト
- idemitsuでんき 給油代2円/L引きのコースあり(月100Lまで=最大月200円・特割カード登録が必要)。 公式サイトを見る
- ソフトバンク自然でんき 基本料金0円・従量単価が均一のプラン。再エネ比率は実質100%。 公式サイトを見る
- Looopでんき 電力の市場価格に連動し30分ごとに単価が変わるプラン。一定の使用量までは上限単価あり、市場が高騰すると料金が上がる場合がある。解約手数料なし。 公式サイトを見る
成果報酬型広告を含みます。申し込み・比較は無料です。
下がるかは使用量と今の契約しだいです(内訳の見方)。 高圧一括受電の建物は不可。idemitsuでんきは沖縄電力エリアが対象外です。 沖縄電力エリア・北陸電力エリアは対象外です。 掲載順は五十音順(編集方針)。
よくある質問
プロパンガスはなぜ都市ガスより高いのですか
ボンベを各戸に配送するコストがかかるためです。都市ガスは地下の導管で供給されますが、LPガスは配送を伴うため単価が高くなる傾向があります。ただし「高いと感じる」ことの本質はそこではなく、同じ地域・同じ使用量でも契約先によって料金が違う点にあります。
同じ地域なのに家によって料金が違うのはなぜですか
LPガスは販売店が料金を自由に設定できる自由料金制だからです。都市ガスには料金の届出制度がありますが、LPガスにはありません。このため同じ市内の隣家であっても、契約している販売店が違えば料金が違います。同じ地域・同じ使用量でも、販売店を変えることで月2,000〜3,000円の差が生じる例が報告されています。
自由料金制なのに、なぜ価格競争が起きないのですか
各販売店が料金を公表しておらず、消費者が比較できないためです。比較できなければ高いかどうかも判断できず、判断できなければ乗り換える動機も生まれません。結果として競争圧力が働かない状態が続いてきました。これは情報の非対称性と呼ばれる構造です。
賃貸だと自分でガス会社を選べないのですか
賃貸住宅では、ガスの契約先を決めるのは入居者ではなく物件のオーナーであるのが一般的です。費用を負担するのは入居者なのに、契約先を選ぶのはオーナーという構造になります。資源エネルギー庁はこれを消費者が不利益を被っている状態として、2024年から2025年にかけて制度改正を行いました。
次に読む
- プロパンガスの適正価格とは 何倍から高いと判断できるか。都道府県別の目安つき。
- 検針票の見方 10㎥あたりの単価を出す手順。今のガス代が高いかどうかが分かります。
- プロパンガスを安くする方法 節約と契約の見直し、それぞれの効果を金額で比べます。
- 三部料金制とは 2025年4月から、LPガスの料金表示の何が変わったか。
出典
- LPガス料金の全国平均・都道府県別(10㎥使用時・2024年10月調査)— 出典:資源エネルギー庁「LPガス価格調査」を加工して作成
- 制度改正の内容 — 北海道 経済部資源エネルギー局「LPガスの商慣行是正に向けた制度改正について」 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kke/207566.html